いつもそこにあると思わないで いつも傍にいると思わないで いつもそんなに微笑まないで いつもそんなに隠さないで いつかその日がきたら いつもよりもっと 哀しくなるじゃない
形に残るものなんて 有りはしないと最初から分かっていた それでも人は爪痕を残そうとするの この世界の片隅で 儚く消えようとも
ねぇ 少しだけ あと少しだけ あの日あなたを 許せることが出来ていたなら 今、後悔に縛られるわたしを 許すことが出来たでしょうか
あなたを守る為に 足りないモノを探しに出た 探してるうちにあなたを見失った あなたを探すには 足りないモノが多すぎた そして何も残るモノはなかった
暗闇を僅かに照らすほどの光 手を近づけると微かに届く温もり 少しの振動で揺らめく炎 時間と共に減りゆくその姿は 絶望の中にある希望に似ていた
必要なモノだけを吸い込んで 不必要なモノを吐き出す 社会と言うモノに吸い込まれ 時代によって吐き出された 虚空に漂うわたし
あなたは何もしらない 美しく輝くその深くで 人知れず震えていることを 強く生きているのではない 怖さが無いわけじゃない それでも冀望と言う光が 残酷にわたしを照らし続けている
目を閉じていても 耳を塞いでいても 手に触れられなくても もう二度と 温もりを感じれなくても 全て記憶の中にいる
もう これ以上沈む事のない 底へと辿り着いたわたし そう ここからはもう 上がる事しかないの
手を伸ばせば 届くだなんて そんな近いモノなら 見向きもしなかった それは途方もなく 追いかけても追いつけない 月光のごとく美しい あなたに 他ならなかったからだ
わたしは 「私」と言う 人から愛され 誰の害にもならず 笑顔も絶やすことのない殻の中で 醜い心を持て余している 私を守るモノにいつの日か ヒビが入ることを 密かに願っている
今日もまた 届く事のなかった想いたちが とめどなく墜下している 地を叩く音は慟哭に似ていて わたしを震え上がらす この想いは必ず あなたに届けたいのに
私という存在が 数ある中の ほんの1ページでいい 気まぐれに読み返す程度でいい 破れて薄れてしまってもいい あなたの手元に残るなら
あなたほど わたしの名前を呼んだ人は居ない わたしほど あなたの名前を呼んだ人も居ない そしてそれはもう わたしたちに 届くこともない
産まれる前から ずっと叩き続ける音 わたしの中のわたしが ここに居るよと叩き続ける音 この振動が消えるまで わたしを内側からノックする
冷たい風が わたしに纏わりつき すべての温度を奪おうとしている だから今あなたの その手が その声が その瞳が 必要だったの わたしを守るのもは あなたしか 居なかったのだもの
諦めてもいい 逃げ出してもいい 誰かを傷付けてしまっても 何かを壊してしまったとしても あなたが生きて居てくれたら それで
夢は観るのじゃなくて 探すもの 恋はするのじゃなくて させられるもの 傷は隠すのじゃなくて 触れてもらうもの 言葉は放つのじゃなくて 伝えていくもの 幸せは願うのじゃなくて 起こしていくものなの
何も変わりはしないと 嘆く日もあるでしょう でも忘れないで あなたが動けば 未来も変わっていくことを
人と人を繋ぐ糸は 結べるくらいで丁度いい 心と心を繋いだ糸は 解けるくらいで良かったのに
痛みのない愛は遊戯 痛すぎる愛は労働 深すぎる想いは呪詛 浅すぎる想いは幻想
うつむいて居ては 空の広さに気づかない 見上げてばかりでは 足元の危うさに気づけない さぁ 前を向いて
ごめんなさい 分かって欲しかったんじゃない ただ 聞いて欲しかっただけなの
わたしは 誰にも負けないくらい 人を愛した 誰にも劣らないくらい 人に愛された
何も見えなくなるほど 人を愛せたのなら 私の明日は暗闇でもいい
ただこの手を 離さないで居てくれたなら もう 孤独を感じることもなく 道に迷うこともなく 温もりを探すこともない 人は何かに掴まり生きているなら それがあなたであって欲しいだけ
泣きたかったのではない 泣いてあげたかったんだ 苦痛にも似たあなたの笑顔が あまりに私と似ていたから そう言う風にしか笑えないと 分かってしまったから
もう逢えないと知った時から あなたが残した言葉が いつまでも内側に響き渡る そしてその言葉には 逃げ道がないように 私の中でぶつかり合っている あの日からずっと
その歩みに迷いはなく その言葉に偽りもなく その想いに濁りもない あなたは真っ直ぐ明日に向かっている その傷跡を誰にも見せずに
きっと誰でもよかった 私だけを見て 私だけに言葉を紡ぎ 私だけに触れてくれる人が居るのなら それが言葉に出来ぬほど 愚かで憐れな想いとしても